このたび私は、オランダの著名なスピリチュアル専門誌『Spiegelbeeld』にてコラム執筆を開始いたしました。
『Spiegelbeeld』誌は、オランダ語で「鏡像」を意味し、自己探求や意識の拡張、スピリチュアルな自己成長をテーマに、30年以上もの歴史を持つものすごく権威ある雑誌です。脳科学、心理学、量子力学といったヨーロッパ各国の科学分野の専門家も多数寄稿し、スピリチュアルなテーマを科学的な視点からも掘り下げる内容が特徴的です。オランダ国内にとどまらず、ヨーロッパ全域に多くの読者を抱えており、私が執筆者として参加することは非常に光栄なことです。
今回初めての掲載となりますが、見開き２ページで雑誌の巻頭近くに大きく掲載していただきました。
今回、私が同誌で書かせていただいたテーマは「夢と現実の関係性」です。特に「明晰夢」と呼ばれる、夢を見ている最中にそれが夢だと自覚し自由に夢の内容をコントロールできる現象について、私自身が初めて体験した時の出来事を起点として詳しく述べています。
ある日の夜、私は夢の中でふと「これは夢だ！」とはっきり気づきました。その瞬間から私の体験は劇的に変化しました。地面を蹴って自由に空中を飛び回り、欲しいものが瞬時に目の前に現れるという驚異的な体験でした。その自由さは、まるで自分が神のような存在であるかのような錯覚さえ覚えるほどでした。
しかし、目覚めると現実は狭いベッドの中で、空を飛ぶ感覚は完全に消え去っていました。この鮮烈な体験を通じて、私はある疑問を抱くようになりました。
「夢と現実――私たちは果たして本当に同じ世界にいるのだろうか？」
この疑問を解明するために、私は脳科学、認知科学、量子物理学など多岐にわたる分野の研究を深掘りしていきました。まず脳科学や認知科学の研究によれば、私たちが普段「現実」と呼んでいる世界は、脳が膨大な外部刺激の中から取捨選択して作り出した「主観的な現実」に過ぎないとされています。
例えば、私たちが視覚を通して得ている情報は、実際の世界そのものではなく、光という刺激が網膜を経由し、神経信号として脳内に伝えられ、そこで再構成された「脳内で作り上げた映像」なのです。つまり、脳は私たちの主観的現実を生成する「フィルター」のような役割を果たしており、このフィルターの働き方次第で、世界の見え方は大きく異なります。
さらに量子力学の分野では、「観測者効果」という現象が知られています。これは、観察するという行為自体が量子状態に影響を与えることを示すものであり、私たちの意識や観察が現実そのものを決定する一因になる可能性があることを示唆しています。
このような科学的知見から、私は意識状態の違いが夢と現実の体験の差を生んでいるという仮説を提唱しました。夢の状態では顕在意識（conscious mind）が後退し、潜在意識がより強く働くことで、通常の物理法則に縛られない自由な世界を体験できるのではないかと考えています。
実際に、瞑想や呼吸法を実践することで顕在意識を抑制し、潜在意識の働きを強めることができるため、覚醒した現実においても夢のような自由で柔軟な感覚を体験できることがあります。私自身、深い瞑想状態では現実の物理的制限が一時的に解かれたかのような視覚的変容を体験しています。
また、赤ちゃんや高齢者が、時に私たち大人には見えないものを見るといった現象も、顕在意識のフィルターが未発達あるいは弱まっているために、潜在意識や無意識領域の知覚が強く表出しているからだと考えることができます。
私が『Spiegelbeeld』誌で述べているのは、この「意識のフィルター」という概念です。つまり、夢の世界も現実世界も根本的には同一の空間であり、私たちの意識が設定するフィルターが変わることによって、全く別の体験をしているということです。
私のこの考え方は、スピリチュアルな視点からのみならず、科学的にも十分に根拠づけることができるものであり、このような統合的な視点を通じて、読者の皆様が現実を新たな視点で捉え直すきっかけになればと願っています。
今後も、日本だけでなく海外においても、このような研究成果や実体験を広く発信し、多くの方の意識の進化や人生の質の向上に貢献していきたいと考えております。
ぜひ、興味を持たれた方は『Spiegelbeeld』誌をご覧いただき、新しい現実への扉を開く一助としていただければ幸いです。･･･とは言え、日本では購入できませんが。